Amanda Gorman アマンダ・ゴーマンさんはアメリカの詩人・活動家です。(年齢25歳、ハーバード大学)彼女の希望に溢れた言葉は多くの人の胸に焼きついたでしょう。 絶賛された彼女の詩をぜひ読んでみてください。一行ずつ和訳を加えてこちらに載せることにしました。
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When day comes, we ask ourselves where can we find light in this never-ending shade?
夜が明ける時、私たちは自分に問いかける。この果てしない陰の中、
一体どこに光があるのかと。
The loss we carry, a sea we must wade.
私たちは失なったものを背負い、海を渡らねばならない。
We’ve braved the belly of the beast. We’ve learned that quiet isn’t always peace, and the norms and notions of what “just” is isn’t always justice.
私たちは、窮地に立ち向かい、静けさが必ずしも平和ではないと学んできた。そして「正義」を定義する規範(そういうものだから – Just is )や考えが、必ずしも常に「正義」とは限らないことを。
And yet, the dawn is ours before we knew it.
それでも、私たちが気がつく前に、夜明けはやってくる。
Somehow we do it.
なんとかして、私たちはやってのける。
Somehow we’ve weathered and witnessed a nation that isn’t broken, but simply unfinished.
なんとかして、私たちは乗り越え、そして目にする。この国は崩壊したわけではなく、単に未完成だったのだと。
We, the successors of a country and a time where a skinny Black girl descended from slaves and raised by a single mother can dream of becoming president, only to find herself reciting for one.
私たちはこの国と時代の後継者。奴隷の子孫で、シングルマザーに育てられた痩せっぽちの一人の黒人の女の子は、大統領になるのを夢見ることができる。そんな国と時代のなかで。気付いたら、その子が大統領ために詩を朗読している。
And yes, we are far from polished, far from pristine, but that doesn’t mean we are striving to form a union that is perfect.
確かに、私たちは洗練されたものとは程遠く、純粋で無傷なものともほど遠い。しかし、私たちは完璧な共同体を目指しているわけではない。
We are striving to forge our union with purpose.
私たちは、目的のある共同体を目指しているのだ。
To compose a country committed to all cultures, colors, characters, and conditions of man.
あらゆる人の文化、肌の色、性格、状況を受け入れられる国を作るために。
And so we lift our gazes not to what stands between us, but what stands before us.
だからこそ、私たちの間に立ちはだかるものではなく、私たちの前に立ちはだかるものに目を向けよう。
We close the divide because we know, to put our future first, we must first put our differences aside.
分断を終わらせる。なぜなら、私たちは知っている。未来を第一に考えるためには、それぞれの違いに執着するのをやめなければならないと。
We lay down our arms so we can reach out our arms to one another.
武器を置いて両手を広げよう。互いの手と手が届くように。
We seek harm to none and harmony for all.
私たちは誰にも危害を加えることを求めていない。すべての人のために、調和を求める。
Let the globe, if nothing else, say this is true:
せめて、これは真実だと世界に知らしめたい。
That even as we grieved, we grew.
嘆きながらも、私たちは成長した。
That even as we hurt, we hoped.
傷つきながらも、希望を抱いた。
That even as we tired, we tried.
疲れ果てても、挑戦した。
That we’ll forever be tied together, victorious.
私たちは永遠につながり、勝利を手にするだろう。
Not because we will never again know defeat, but because we will never again sow division.
これから先、もう二度と敗北しないからではない。もう二度と、分断の種をまかないからだ。
Scripture tells us to envision that everyone shall sit under their own vine and fig tree and no one shall make them afraid.
それぞれが自分のブドウの木やイチジクの木の下に座り、誰も恐れる必要のない世界を描くようにと、聖書は私たちに説いている。
If we’re to live up to our own time, then victory won’t lie in the blade, but in all the bridges we’ve made.
私たちの時代に適うとすれば、刃の中に勝利はない。私たちが架けてきた全ての橋にこそ、勝利がある。
That is the promise to glade, the hill we climb, if only we dare.
それが約束の地、私たちが恐れずにのぼろうとする丘だ。
It’s because being American is more than a pride we inherit.
アメリカ人であるというのは、私たちの引き継ぐ誇り以上の意味がある。
It’s the past we step into and how we repair it.
アメリカ人であるというのは、私たちが足を踏み入れた過去と、それをどう回復するかだ。
We’ve seen a force that would shatter our nation rather than share it.
私たちは見てきた。国を共有するどころか、粉砕してしまった力を。
Would destroy our country if it meant delaying democracy.
それが民主主義を遅らせるものなら、私たちの国は滅びてしまう。
This effort very nearly succeeded.
あと少しで、滅びてしまうところだった。
But while democracy can be periodically delayed,
it can never be permanently defeated.
しかし、民主主義は一時的に止まることがあれど、永遠に敗北することはない。
In this truth, in this faith, we trust,
for while we have our eyes on the future, history has its eyes on us.
この真実と信念をもってして、私たちは信じている。私たちが未来を見ているその時、歴史は私たちを見ているから。
This is the era of just redemption.
今はまさに、償いの時代だ。
We feared it at its inception.
はじめ、私たちは恐れていた。
We did not feel prepared to be the heirs of such a terrifying hour,
but within it, we found the power to author a new chapter, to offer hope and laughter to ourselves.
そんな恐ろしい時代を引き継ぐ覚悟は、できていないように感じていたから。そんな中でも、私たちは新たな章を書き上げ、希望と笑いを自分たちに届ける力を見つけた。
So while once we asked, ‘How could we possibly prevail over catastrophe?’ now we assert, ‘How could catastrophe possibly prevail over us?’
この破滅的な状況に、一体どう打ち勝てるのか。かつて私たちはそう思っていた。でも今、こう宣誓できる。この壊滅的な状況は、果たして私たちに打ち勝てるか?
We will not march back to what was, but move to what shall be:
私たちは過去に戻るのではなく、未来に進む。
A country that is bruised but whole, benevolent but bold, fierce and free.
傷つきながらも一体となり、優しくも大胆で、力強く自由な国へと。
We will not be turned around or interrupted by intimidation because we know our inaction and inertia will be the inheritance of the next generation.
私たちは脅しによって引き戻されたり、邪魔されたりはしない。なぜなら、私たちの不実行性や惰性が次の世代に引き継がれ、それが未来になることを知っているから。
Our blunders become their burdens.
私たちの過ちは、次の世代の重荷になる。
But one thing is certain:
でもひとつ、確かなことがある。
If we merge mercy with might, and might with right, then love becomes our legacy and change, our children’s birthright.
慈悲と権力を、権力と権利を私たちが融合させれば、愛が私たちの遺産になる。そして、私たちの子どもたちが生まれ持って得るものが変わるだろう。
So let us leave behind a country better than the one we were left.
だから、私たちに残された国よりも、さらに良い国を残そうではないか。
With every breath from my bronze-pounded chest, we will raise this wounded world into a wondrous one.
銅を叩き作られた私の胸がひとつ呼吸をするたびに、私たちは傷ついたこの世界を素晴らしいものへと変えていく。
We will rise from the golden hills of the west.
黄金の丘がある西の地から、私たちは立ち上がる。
We will rise from the wind-swept north-east where our forefathers first realized revolution.
私たちの祖先が最初に革命を実現させたあの吹きさらしの北東の地から、私たちは立ち上がる。
We will rise from the lake-rimmed cities of the midwestern states.
湖畔の街に囲まれた中西部の地から、私たちは立ち上がる。
We will rise from the sun-baked south.
日が照る南の地から、私たちは立ち上がる。
We will rebuild, reconcile, and recover.
私たちは再建し、和解し、回復する。
In every known nook of our nation, in every corner called our country,
our people, diverse and beautiful, will emerge, battered and beautiful.
そして、私たちの国の隅という隅まで、多様で美しい国民が現れるだろう。打ちのめされて、それでも美しい姿で。
When day comes, we step out of the shade, aflame and unafraid.
夜が明ける時、私たちは臆することなく、炎の影から一歩踏み出す。
The new dawn blooms as we free it.
私たちが解放すれば、夜明けはどんどん膨らんでいく。
For there is always light,
光はいつもそこにある。
if only we’re brave enough to see it.
私たちに、光を見る勇気があれば。
If only we’re brave enough to be it.
私たちが、光になる勇気があれば。
※和訳は、原文(英語)の表現や解釈と厳密には異なる場合があります。