はじめに
通訳 には様々なスキルが必要で、2カ国語が堪能なだけではやっていくのは難しいです。通訳とはざっくりいうと、日本語と外国語の間で「聞いて理解し、言語変換して発話する」というプロセスですが、そのなかでいかにスムーズに、自然に通訳できるかが重要になります。このプロセスに備えるためには、抜群なトレーニング方法があり、これらは 独学 で出来るものあります。
独学かスクールか
本格的に通訳者になりたいという強い願望がある方は通訳専門のスクールに行くことをおすすめしますが、経済面や時間の確保が難しいという理由でスクールへいけない方もいらっしゃるかと思います。「フリーで空いてる時間にちょこっと通訳をしたい」、「会社から頼まれたときにしっかりできるように力をつけたい」などのスキル習得の感覚、副業感覚の方もいらっしゃるかと思います。
そんな方でも大丈夫です。実は、独学 でも 通訳 スキルを身に付けることは可能なんです!
家で実践できる、8つの基礎トレーニングについて説明していきたいと思います。
クイック・レスポンス
聞いた単語や短い語句の訳をクイックに発声するトレーニング。即時に訳出する瞬発力と語彙力を高めることができます。スピードがもちろん大事ですが、同時に正確さが求められます。適当に頭に浮かんだ単語を言って、意味合いが違う場合、大変なことになってしまいます。
単語がすぐに出てこない場合、こちらのトレーニングは絶対的に必要です!
シャドーイング
よく通訳者が毎日のように行う訓練法です。音声を聞きながら、影のように後を追って原文をそのまま声に出していきます。リスニング能力と集中力が必要。途中から話の内容を忘れてしまって「もう一度言ってもらえますか?」と聞き直すことがないためにも、しっかり身に付けるべきスキル。発音の強化にも効果があるので、ネイティブの話すような強弱の付け方も身に付くでしょう。初心者は、音声だけで聞き取るのは難しいかもしれません。その場合、音声の原稿を目で見ながら、シャドーイングしてみましょう。
サマライジング
まとまった長さの文章を聞いたり読んだりして、その文章を要約するスキルです。このトレーニングで、文章のメインポイントを読み取る理解力や、聞き手に分かりやすく伝える表現力を鍛えます。要約すること自体が苦手な方は、読解力を鍛え、まずは日本語の文章を日本語で要約することからスタートすると良いです。
パラフレージング
まとまった長さの文章を聞いたり読んだりして、意味を変えずに自分の言葉に言い換える作業。このトレーニングを通して、リスニング力、理解力、記憶力、表現力、語彙力などあらゆるスキルが身につきます。単語だけ言い換えたり、全文を言い換えたり、徐々にスキルアップしていきましょう。
サイト・トランスレーション
英文を読みながら、意味の切れ目にスラッシュを入れ、文頭から訳していくトレーニング。同時通訳に近いです。日本語と英語で文法が異なりますので、語順も違います。この「語順」に慣れていくのがこのトレーニングの目的です。こうすることで、英語を素早く理解できるようになります。ネットのニュース記事などを使って練習してみましょう。
リプロダクション / リテンション
音声をワンセンテンス聞き、口頭で繰り返す。慣れたら2センテンス、3センテンス、1パラグラフへと増やしていきましょう。聞いてから発声するまでの時間がある程度空いてるので、短期記憶力を鍛えることができます。英語の構文を理解して文章を覚えられるように、トレーニングしてみましょう。
ディクテーション / トランスクリプション
音声を聞いて、一語一句をそのまま書き出します。書き出してから原文と照らし合わせます。その際に答え合わせすることで、自分が聞き取れなかった単語や発音を知ることができます。単語の前後が連結した発音を身に付けることができ、リスニング能力を高めます。(割と初歩的なトレーニングなので、他のトランスレーション作業を含むトレーニングよりも早めの段階で取り入れると良いです)
ノート・テイキング
通訳者といえばメモとり。逐次通訳の際に記憶を整理するためにメモをとります。このトレーニング方法をノート・テイキングと呼びます。速記以外にも、聞いた内容を整理することを考えながらメモをとるので、聞きながら理解する能力を鍛えます。効率よく行うようにしなければならないので、この練習は積み重ねがとても重要になります。
さいごに
以上が通訳をする際に必要なスキルを独学で身に付ける方法です。これで、たくさんのトレーニングがあることを知ってもらえたかなと思います。あくまでも基礎トレーニングの分野を紹介しましたが、実践的なトレーニングを受けたい場合は、スクールに通うことをおすすめします。