エンタメ業界はスポーツや芸能、音楽、映画など多くにわたって人々から愛されています。グローバル化してから必ずといって必要なのは、陰にいる「通訳者」の存在です。たとえば、アーティストなら来日した方々のインタビュー、記者会見、舞台挨拶など。スポーツ選手なら練習や試合中に、そしてアテンド通訳を行うことでしょう。エンタメ通訳 でまず必要なスキルは、発言を分かりやすく逐次通訳する能力です。ほかにも多くのスキルが必要であり、仕事内容、仕事のゲットする方法までをみていきましょう。
映画業界での通訳
テレビでよく見るように、ハリウッドスターが来日した際には、必ず横に通訳者がいます。俳優だけでなく監督にも付き添うことがあり、様々な場面やロケーションで通訳業務を行います。
仕事内容・ロケーション
- 記者会見
- TVやラジオ番組への出演
- 舞台挨拶
- レッドカーペットイベントなど
- TV、雑誌、Webメディアなどマスコミの個別取材
- アテンド(観光地や飲食店に同行)
仕事をするには
実は、海外から来られる映画俳優や監督の通訳者となる人は国内で非常に少ないのです。これらの仕事をコンスタントに行い、活躍できるのは、ほんのわずかです。映画関係者からの紹介で仕事を始めた人が多く、コネクションによる紹介が鍵となっているのは間違いありません。もちろんスキルや実力も考慮した上での呼びかけですが。
通訳エージェントに登録している人はごまんといますが、映画業界の仕事が回ってくることはありません。配給会社は信頼する通訳者へ直接オファーをすることがほとんどです。
映画関連の知識は必要で、臨機応変に対応できるかどうかも大事です。急に予定が変更になったり、俳優さんが遅れたり、イベントの進行が変わったり・・・。状況が変わることもしばしばあるので、柔軟に対応できる姿勢でいなければいけません。
ここまで読んで、あ、映画業界に知り合いもいないしだめだ・・と諦めているあなた。まだチャンスはありますよ!!
実は各種の国際映画祭では通訳者を複数募集することもあります。積極的に応募をし、自分の能力をアピールしてみましょう。
今後のニーズ
ここ最近は洋画のプロモーションの件数は減ってきています。邦画の人気が出てきたのも理由の一つではありますが、外国人俳優が来日PRをする代わりに、日本のタレントが宣伝に起用されていることも多いからです。そのため、有名大物俳優などが日本へ来日する際は、話題性の高い作品に集中している傾向があります。
その一方で、動画配信サービス(Netflixなど)が増えてきたこともあり、コンテンツを宣伝するイベントのため、来日する俳優らもいます。ファン向けの交流イベントも増加している傾向があり、通訳者も活躍しているそうです。
韓国エンタメの通訳
韓流ブームは2000年代から相変わらず続いており、日本に熱心な韓流ファンがいる限りは、このお仕事も途絶えません。共に仕事をするのは、制作会社、芸能事務所、レコード会社など。
仕事内容・ロケーション
- 記者会見
- TVへの出演
- ライブ中の舞台袖、コンサートMCの通訳
- リリースイベント
- ファンミーティング
- プロモーション
- TV、雑誌、Webメディアなどマスコミの個別取材
- アテンド(観光地や飲食店に同行)
仕事をするには
韓国のエンタメ通訳も仕事は制作会社から直接きます。そのため、人脈が重要になってきます。通訳をするからといって、ファンである必要はありませんが、必要なのは通訳スキル。ノートテイキングをする逐次通訳や、ウィスパリングの技術が必要。
映画業界と違って、知識は後から身に付けられるため、技術重視なところがあります。いろんな案件でスキルを磨きながら、人脈を広げ、自分を売り込むチャンスを掴むのが第一歩となります。
今後のニーズ
韓国のエンタメは、韓流ドラムブームから若いアイドルブームにも進化しています。日本でもファン層も多様化し、イベントが多いことから今後も通訳の需要が見込めます。新しいアイドルがどんどん出てくるので、通訳者も始めのうちは若手に仕事が行く場合もあります。ステージに同行すると、ファンから伝わる楽しい雰囲気が会場いっぱいに広がるので、やりがいもあって楽しいと思われる通訳者が多い印象です。
スポーツ業界での通訳
映画や音楽シーンと少し違って、スポーツ業界での通訳は自ら応募できるチャンスがあります。プロスポーツのチームは一般的に通訳者の公募をしています。ネットを検索しても分かるように、公募しているのは特にオフシーズンです。大体ホームページなどで応募を告知しているようです。
仕事内容
- 選手の練習や試合中
- インタビュー
- ミーティング
- 選手のアテンド
- 選手や監督の生活面のサポート
- マネージャー兼通訳など
仕事をするには
スポーツ業界での通訳に応募するには、そのスポーツに関して何らかの興味があるからだと思いますが、注意しなければいけないのは、チームはその該当するスポーツの競技経験者を求めているということです。部活などで経験していなければ、通訳のお仕事をゲットすることは難しいかもしれません。
それから、ほかの業界と違うところは、ほかはフリーランスの通訳者として活動するのに比べ、スポーツ業界ではチームや団体に所属して、通訳を担当するといったスタンスです。いわば契約社員のような働き方になります。契約が更新されると、引き続き同じチームや団体を通して仕事をする形となります。
一方、単独のスポーツイベントもあります。その場合は、フリーランスの通訳者が手配されます。なかにはスポーツ関係を扱う通訳エージェントもあるみたいですが、人脈や紹介で直接依頼されるケースも多いです。一般的に公募されている場合もあるので、ネットでリサーチして応募してみるのも一つの方法。そして、これら単独の仕事でも実績となりますので、団体に応募する際のアピールポイントとなります。
今後のニーズ
外国人選手を起用することが多くなってきた近年、まだまだスポーツ業界での通訳のニーズは期待できるでしょう。担当するスポーツの知識があってからこそできるお仕事なので、あらかじめ興味のあるスポーツのことをしっかり知っておくことが大事。とくにマネージャー兼通訳の場合やチームに所属している場合は、コミュニケーションをとることも大切です。業界知識がないと、会話も成立しづらいです。信頼してもらえるように細やかな気配りも忘れてはいけません。
おわりに
言い忘れるところでしたが、通訳する有名人のSNSや個人情報は調べておく必要があり、本人のイメージを損なわないようにしなければなりません。また、スケジュールに合わせて行動できるようにし、何かあれば柔軟に対応できるサービス精神も持ちましょう。
フリーランス通訳者にとって晴れやかな舞台で活躍するのは狭き門ですが、機会に恵まれて、良い仕事を行えば、リピートで仕事が舞い込んでくる可能性も高い業界です。諦めずに、共に頑張りましょうー!!
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